ecoslymeです。
皆さんは自分の業務について、月間を通してもしくは年間を通じでどのような業務を行っているか、具体的に把握していますでしょうか?
おおよそこのような仕事をしているというのは把握していると思います。
ですが、その時期にならないと具体的に何をしているか分からない人が多いのではないでしょうか?
また、自分が課長などの上司になった時、部下がどのような仕事をしているか把握できますか?
自分が他部署に異動した時もそうです。
前任者がどのような仕事をしていたか、具体的に知りたいと思う人も多いのではないでしょうか。
そんな時に大活躍するのが、業務棚卸し(ぎょうむたなおろし)です。
この記事では、業務棚卸しとは一体どんなものなのかについて、詳細にご紹介していきたいと思います。
作業時間の見える化と業務効率化のための「業務棚卸し」
それでは早速、業務棚卸しについてご紹介していきます。
業務棚卸しの意味
「棚卸し」という言葉は皆さんも聞いたことがあるかと思います。
主に、メーカーで月末や期末に商品の在庫数量を確認する作業のことです。
では、業務棚卸しとはどういう意味でしょうか?
上で説明したメーカーでの「棚卸し」の方法を業務にあてはめたものです。
具体的には、業務内容や業務の種類、作業時間などを見えるかすることを言います。
この業務棚卸しによって以下のような事項を見える化することができます。
・各業務の存在、業務内容
・各業務を担当する人数
・作業時間
・業務の難易度
業務棚卸しは以下の手順に沿って行われるのが一般的です。
業務棚卸しの効果
それでは、業務棚卸しによってどういった効果が現れてくるのでしょうか?
上で「業務棚卸しで分かること」をご紹介しましたが、これらが判明することでどのようなメリットがあるのでしょうか?
そのメリットを具体的にご紹介します。
・不要な業務の発見
・各業務の負担具合
・課員の評価、比較
・RPA化の検討
・業務割当の適正性
業務棚卸しを行うことにより、この仕事、実は不要なのではないか?ということが生じてきます。
思い切ってその業務をやめると上司が判断することも可能です。
課員は自分の仕事に何も疑問を抱かずに作業しているかもしれませんが、この見える化によって課や部を見ている上司が全体最適として、その業務が不要と考えるケースもあります。
また、横同士の比較も可能です。
課員同士で同じような仕事をしているのに、この人は時間をかけすぎている、という気づきも与えてくれます。
逆に、この仕事量なのに少しの時間で終わらせている、という発見も可能です。
つまり、評価の指標を作ることができるので、課員の正当な評価材料とすることもできます。
各課員の負担具合も分かってくるので、各課員への業務の割り当てを調整することができるようにもなります。
部門間で比較ができれば、似たような業務を行っていることに気づくことができるかもしれません。
その場合、全社最適として一つの部署に仕事を集めることも検討できます。
同じ課内でも仕事を集約化することもできます。
集約化により、複数人で行っていた作業を一人で行うことで、トータルの作業時間を削減させることも可能です。
また、簡単と思っていた業務が実は多くの時間を割いていると気づくこともあります。
この単純な作業に関しては、ロボット化(RPA化)することで業務量を大幅に削減することが可能です。
RPAに興味のある方は是非、以下の記事をご覧下さい。
ecoslymeです。 RPA(Robotics Process Automation)を導入したいけれども本当に使えるのか? RPAのメリットって一体何?逆にRPAのデメリットは[…]
改善の一例についてご紹介します。
今まで行ってきた業務にメスを入れるのは抵抗があるかもしれませんが、思い切って以下のことをする勇気が必要です。
・廃止する
・頻度を減らす
・やめる
・少人数へ集中させる
・システム化する
・RPA化する
・外注に出す
・業務の品質を下げる
業務棚卸し実施の注意点
業務棚卸しを行うにあたり、どのような注意点があるかご紹介します。
これは人に対して聞いていくものなので、その人がその意図を読み、自分はたくさん仕事しているんだアピールで事実を捻じ曲げて書いてくる可能性があります。
これには注意してください。疑問に思ったら本人に確認するか、観察してみましょう。
細かい業務も書いていきましょう。
例えば、年間を通じて行われる業務も含みます。
健康診断、メールチェック、社内掲示板チェック、タバコ、、、
細かい業務を積み重ねると結構な時間になったりします。
各人の業務の粒度を揃えましょう。
レベル間でレベル1〜レベル4で設定したとして、各々のレベルで粒度を合わせます。
これが合っていないと業務の難易度や作業時間の比較ができません。
上手く粒度を設定できれば、部門間でも比較することが可能になります。
作業時間の合計が、年間の残業時間を含めた作業時間になるように書きましょう。
残業時間が考慮されていなければ、データとして齟齬(そご)が出てきてしまいます。
言語の共通化を行いましょう。
人によって用いている用語が違ければ、その用語が表している作業範囲も異なってくる可能性があり、実際の業務の内容も違ってくるため単純に比較できません。
例えば、メールチェックという言葉が、人によってはメール閲覧のみで、別の人は回答を作成してメール返信を含むという意味であれば、両者で業務の量が異なってしまいます。
同じ業務が複数の業務に別れてしまっていることや、複数の業務が一つの業務としてまとめられてしまっている、ということが避けられるように十分に中身をチェックしましょう。
業務棚卸しの例
それでは、具体的に業務棚卸しの例を考えてみましょう。
債権や債務を扱う部署での例を考えてみます。
以下に業務棚卸しの例を記載します。
Level 1 | Level 2 | Level 3 | 作業時間 | 内容 | 備考 |
債権管理 | 入金業務 | 照合消込 | |||
入金伝票作成 | |||||
照合責任者の伝票確定 | |||||
営業への問い合わせ | |||||
債務管理 | 支払業務 | 照合消込 | |||
出金伝票作成 | |||||
照合責任者の伝票確定 | |||||
営業への問い合わせ | |||||
照合業務 | Web精算・出金 | 照合確定 | |||
その他 | 個人庶務 | 社内掲示板閲覧 | |||
郵便物確認、回付 | |||||
休憩 | |||||
相談・問い合わせ(システム) | |||||
書類整理 |
上記の表で、作業時間や内容を記載していき、業務調査票を完成させていきます。
最後に
いかがでしたか?
意外と自分以外の人の人の業務って分からないと思いませんか?
自発的に行っていたと思っていたのに自分と同じ作業をこの人もやっていた、となれば無駄を省くことも出来ます。
単純作業に関しては、もはやロボット(RPA)やシステムに行わせるのが主流の時代になっています。
そんな誰でもできる仕事はすぐになくなっていきます。
一旦自分を丸裸にして、冷静に自分の業務を見つめ直してはいかがでしょうか。
より価値の高い人間に成長することができますよ。
他の主要なフレームワークについては、以下の記事にまとめていますのでご覧下さい。
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