ecoslymeです。
ネットを調べると、USCPAの合格率は50%の社会人に取得しやすい資格といった、難易度が低い資格というようなことが全面に押し出されていますが、本当にそうなのでしょうか?
私ってそんなにダメなの…?
私が仕事をしつつ、アビタスという予備校に通いながら実際にUSCPAを受験してみて、「そんなに合格率が高い資格なのか?」とすぐに疑問に思いました。
USCPAの難易度はもっと高いのでは?
そんな訳でこの記事では、USCPAの本当の合格率について分析し、USCPAの本当の難易度を明らかにしていきたいと思います。
なお、私はワシントン州のUSCPAライセンスを所持しておりますので、USCPA受験の体験に基づいた感覚もあり、この記事のUSCPAの難易度の信憑性はあると考えています。
(筆者のUSCPAの受験結果)
目次
USCPAの難易度と合格率について
USCPAの難易度について、合格率、勉強期間、受験回数の観点から見ていきたいと思います。
USCPAの合格率を算出するにあたって、下記URLの資料を参考にします。
2014年にAICPA(American Institute of Certified Public Accountants:公認会計士の任意団体)が出したデータです。
USCPAのワールドワイドの情報を分析した資料(無料公開版)としては、2014年が最新でしょう。(162ページあります)
USCPAの難易度を知るのに最適な資料になります。(結構古いですがご容赦を、、、)
2014JurisdictionBookNASBAWebsite.pdf
以下のまとめ資料もあったので、一緒にご紹介します。
Evaluating CPA Examination Statistics
最新のデータを見たい人は、以下のNASBAのリンクに飛んでみましょう。(2019年までのデータしかありませんが、、、)
USCPAの科目別の合格率
USCPAの難易度を知るため、まずは科目別の合格率のデータを見てみましょう。
2014年以前のUSCPAの平均合格率は以下になります。
・FAR :47.6%
・BEC :55.5%
・AUD :46.4%
・REG :49.4%
2014年以前のUSCPA全科目の科目別の平均合格率は49.5%のようです。
科目別の合格率だけ見ると、難易度の高い資格には見えないように思えます。
参考に、2022年のUSCPAの科目別合格率を載せます。
合格率のデータは四半期ごとに更新されますので、常に最新版を見ることができます。
- 2022年 USCPA 科目別合格率
科目 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 累計 |
FAR | 44.95% | 45.66% | 44.30% | 44.93% | |
BEC | 57.33% | 61.53% | 59.91% | 59.68% | |
AUD | 46.35% | 49.13% | 48.67% | 48.16% | |
REG | 60.03% | 61.25% | 61.78% | 61.10% |
(最新版:CPA Exam Pass Rates)
Candは受験者数(同一人物)で、Secsは受験総数のことかと思います。
つまり同じ年に2回以上受験している人が多数いるということになります。
予備校が一般的に取り上げているのは、このUSCPAの科目合格ごとの合格率ということになります。
ネットで言われている、USCPAが「合格率50%の資格」と言っている根拠は、科目別の合格率のことを言っています。
全科目合格(資格取得の合格率)のことではありません。
よって、「難易度の高くない資格」というような錯覚をさせられています。
また、受験者数の推移を見てみると、2012年で4,000名前後なのに、2014年では25,000名前後と急激に増えています。
私の利用していた予備校のアビタスも受験者が増加している様子があります。
非常に人気が出てきている資格だと分かります。
4科目合格者の合格率
次に、本当のUSCPAの難易度を知るために、USCPA 4科目全て合格した人の合格率を見てみましょう。
USCPA合格者はおおよそ、17〜18ヶ月で合格(これは恐らく勉強し始めてからのことだと思います)しており、平均6.54回の受験(最短4回)をしていることになります。
この「From 1st Section」をどのように訳すかが非常に難しく、「1科目目から」と訳すと17〜18ヶ月で合格という数字がおかしくなってしまいます。
(<18 の%の合計がここで54.2%(=5.1%+21.5%+27.6%)と平均の50%を超えているため)
そのため「審査手続き(examination process)」と捉え、受講生が勉強を開始した時期と考えることにします。
しかし、下記のような記述もありどちらが正しいか分かりません。。。
また乱暴な計算ですが、全受験者91,380名のうち25,648名が合格していることから、28.0%がUSCPA全科目合格者となります。
合格から18ヶ月で科目合格失効(Expire)してしまうので、最初の科目の勉強時間を6ヶ月かかったと仮定してします。
科目合格失効を経験せずに合格した人は、全受験者91,380名のうち(1,298+5,527+7,084+7,152=)13,909名として、23.0%となります。
こうみると、難易度が高い資格ではないかと考えられるようになってきました。
Alaska州の合格率など
日本人の多くが出願する州と思われる、Alaska州について見てみたいと思います。
2012年頃から急激に受験者数が増えています(Cohort Size Trend)。
2011年から日本でUSCPAの受験が可能になったことが大きいのでしょう。
合格率は他の州の平均よりも大きく低く、40.2%となっています。
どの州も同じ問題なので、州によって難易度が違うということはないでしょう。
男女別の合格率
別の観点から見ていきましょう。男女別のデータがありましたので参照したいと思います。
<女性>
<男性>
女性の場合、平均年齢は29.5歳と男性の30.5歳より1歳若いです。
合格率に関しては、女性が43.1%に対して男性が47.3%と男性の方が4.2%高かったです。
男性も女性も受験者数はほぼ同じでした。
そのため、女性の方が難易度が高く感じられるかもしれません。
日本人のUSCPA合格率と難易度について
肝心の日本人のUSCPA合格率は一体どうなんでしょうか?
特に英語が苦手な日本人にとっては、アメリカ人(USCPA受験者の9割)と違い、問題文が英語であるだけで難易度が劇的に上がります。
早速見ていきたいと思います。
日本人の受験者数について
まず目につくのですが、実は日本人はアメリカ以外の国で一番USCPAの受験者数が多いです。
当時の受験者数は減少傾向のようですが、現在はデータがないのでわかりません。
予備校の校長に以前伺ったことがありますが、その時は年々受講生が増えてきているとおっしゃっておりましたので、おそらく受験者数は増加傾向なのだと思います。
日本人の科目別の合格率は32.8%と、他国受験者Top10の中で一番低い結果に、、、
(ちなみにTop30ではケイマン諸島(Cayman Islands)が19.7%で最低でした)
日本人にとっては非常に難易度の高い試験に感じられるでしょう。
言語の壁はやはり大きいですが、逆に言語の障害を受けながらも、32.8%もの人が合格していると考える事もできます。
また合計で101ヵ国の人々が参加しており、12.1%の人はMaster Degree(修士号)を持っています。
ちなみにですが、私も理系の修士号を持っております。12.1%は意外と少ないといった印象です。
日本だと受けるのは文系の人が多く、文系で修士号をとる人は珍しいからなのでしょうか。
日本人受験者の平均年齢
平均年齢は36.2歳と高めでした。
転職に適した年齢が35歳以下と聞くこともあるので、その年齢を超えても取得する価値のある資格ということでしょう。
2010年が高く、2011年から急に減っている理由はわかりません。日本受験が可能になったはずで人数が増えると予想していましたが。。。
リーマンショックが2009年なので、その時の影響でしょうか?
(リーマンショック前から受験していた人はそのまま受験を続けたと仮定して)
日本人のUSCPA 4科目(全科目)合格率について
日本にも同じような4科目合格者のデータがありました。
同じように計算してみて、1,799名の うち325名が4科目の全科目合格者とすると、18.0%がUSCPA合格者となります。
全体が28.0%との計算でしたので、10%も低い結果に。。
この結果を見ると、日本人にとっては非常に難易度の高い試験であると確信できますね。
日本人のUSCPA受験回数について
日本人の合格者の平均の受験回数は9.13回です。
なお、全科目ストレートで合格すると、受験回数は4回になります。
つまり、日本人は5回以上試験に落ちていることになります。私は8回なので平均よりは良かったみたいです。
1会の受験料は6〜7万円かかるので、記念受験といった無謀な挑戦をする人はあまりいないという事を考えると、試験の難易度はやはり低くはないと想定できます。
日本人のUSCPA合格者(科目合格失効なし)について
科目合格失効を経験せずに合格した人は、全受験者1,799名のうち(2+37+83+62=)184名として、10.2%となります。
めちゃくちゃ低いですが、私が予想していた数字とほぼ同じでした。
日本人のUSCPA平均勉強期間について
Totalの%を見ていくと、<18 month までの合計で37.5%で、18〜24ヶ月で19.1%です。
等間隔で合格していると仮定すると、22ヶ月で累計約50%となります。つまり、日本人の場合、平均の勉強期間は22ヶ月となります。
これは私の予想より早いと考えています。正直信じられません。(私の読解や計算が誤っていた可能性があります)
9回以上受験するのに22ヶ月間で合格するとは。。。
しかし妥当な期間というような気もしてくる。。。
アビタスの受講生でも半年〜1年間で合格するような強者もいるので、そういう人たちがこの勉強期間を短くしているのでしょう。
まとめ
以上の分析結果をまとめてみたいと思います。
USCPAの難易度分析 | 全体 | 日本 |
科目別 平均合格率 | 49.5% | 32.8% |
合格者の平均勉強期間 | 17〜18ヶ月 | 22ヶ月 |
合格者の平均受験回数 | 6.54回 | 9.13回 |
全科目合格率 | 28.0% | 18.0% |
全科目合格率(失効経験なし) | 23.0% | 10.2% |
衝撃の結果となりました。
合格率の計算は一部仮定によるものがあったため正確な数字ではないかもしれませんが、大きくはズレていないと信じています。
私の感覚では、過去の試験では22ヶ月間で合格できたのかもしれませんが、最近では更に時間がかかるものだと推測しています。
(過去問を解いてみると過去問は簡単な問題が多いですが、最近の問題は難しい問題が多いと感じたため)
この結果を見て、難易度が低いと思う人もいれば、難易度が高いと思う人もいる事でしょうが、私は難易度が高いと感じました。
アメリカ人が9割の試験で、母国語が英語という人はそれ以上でしょう。
また、アメリカ人も経営学や経済学など会計に関連する修士号をとっている人がゴロゴロいて、かつ受験コストの高い試験で合格率18%なので、難易度は非常に高いと思います。
海外の人の勉強時間が気になる人は以下の記事をご覧ください。
ecoslymeです。 日本人でUSCPAを今後取得しようと考えている人、もしくは現在USPCAを勉強中の人にとって、海外の人のUSCPA資格取得までの勉強時間は非常に気になるものです。 […]
USCPAの挫折率(ドロップアウト)について
全科目合格率は24ヶ月以上の数字も含まれているので、つまりは「100%ー28.0%=72.0%」の人はドロップアウトしたという意味にも受け取れます。
日本に関しては、82.0%がドロップアウトということになります。(実際は長期間勉強して合格した人もいると思うので、この数字よりも少ないと思いますが)
この割合が正しいとした場合、5人に4人が挫折したという結果になります。これも私の感覚としては妥当な気がします。
なお、NASBAのUSCPA受験者のまとめ資料のデータだと、91,384名のうち19,071名(20.9%)がドロップアウトしたと書いています。
過去18ヶ月以内にどの科目も受験していない(全科目失効)人が対象となっています。
(私は結構早いペースで勉強頑張っていたつもりでしたが、FAR受験までに8ヶ月かかっています)
USCPAの本当の難易度について
USCPAを受験する人は、大卒であることが絶対条件であり、かつ英語にある程度の自信があるという前提条件があります。
また、受験の準備としても膨大な費用がかかります。
それを考慮してみると、USCPAの難易度は高い(=価値が高い)と間違いなく言えるでしょう。
- 今USCPAの勉強をしている方へ
USCPA取得のために予備校を利用される場合、一番のおすすめはアビタス
特に今まで会計を勉強してこなかった人や、実務で会計を利用していない会計未経験の方はアビタスの利用が必須条件というくらいおすすめです。
定期的にアビタスにて無料でUSCPAのオンライン説明会が開催されています。
説明会に参加するのはもちろん無料ですので、予備校選びに迷っている方も独学の方も一度は説明会を受講されることを強くおすすめします。
ここで動かなければ、恐らく今と同じ生活から一生抜け出すことはできません。
1日くらい休日の数時間を潰して説明会に参加してみて下さい。
(今までは会場に足を運ばなければなりませんでしたが、オンライン説明会になったので説明会参加のハードルは大きく下がっています)
仮に説明会参加後にUSCPAに興味がなかったということが分かったとしても、その行動力はどこかで意味のあるものとなってきます。
私はアビタスの説明会を受講したその日に申し込みを行いました。
正直、説明会を受講してからどうしようか一度考えてみようと、説明会の前までは思っていました。
しかし説明会の最中に急に自分の2、3年後の姿が頭の中をよぎりました。
「あの説明会を受けた時から勉強していれば、今頃はUSCPAになれていたのに。。。今も社内で同じ仕事。」
「自分の同期は海外駐在でワールドワイドな仕事をしているのに、自分は未だにここで何しているんだ。。。」
「異動もできず、同じ課の無能な先輩や無能な上司とこの先ずっと一緒に仕事をしていかなければならないなんて、、、」
と後悔している自分が想像できてしまい、悔しさと虚しさがこみ上げてきました。
結果、あの時説明会に足を運んでいて良かったと今でも思います。
人生が変わった瞬間で、視野が急に大きくなった感覚がありました。
逆に説明会を聞いた後にすぐに受講の申し込みをして勉強をしていなければ、
ただUSCPAの未来を想像しただけで気持ちは大きくなっているが何も習得していない、USCPAの世界についてはやや詳しいけど資格も何も持っていない、いわゆるただの意識高い系のゴミ人間になっていただけでしょう。。。
そんな痛い人間だけにはなりたくありませんでした。想像するだけでも情けないヤツだと思いました。
逆に、USCPAを取得できればめちゃくちゃ明るい未来が見える!!!と期待感がMAXになったことも覚えています。
ここで何も動かなかったら間違いなく後悔すると思い、説明会の受講後にアビタスの予備校のスタッフに対して口が勝手に「USCPA受講することは確定します。手続きの詳細を教えてください。」と言っていて自分でもビックリしましたが、口を滑らせてしまったにも関わらず全く後悔がなかったことを覚えています。
「自分は地方だから予備校に通えない」、「近くにアビタスがないから他の予備校を考えよう」と思っている方は特に注意してください。
アビタスはUSCPAの合格実績がNo.1です。
家の近くにないという理由で予備校を変更することは命取りになります。
他社の教材は難しすぎて、1科目目を受験すらせずに挫折する可能性が十分考えられます。
(逆に言えば、ふるい落としで残った受験者は非常に優秀)
USCPA受験に必要な単位を取得するのに、アビタスは自宅のPCで教材を見ながら簡単に取得できます。
しかし他社の場合はテストセンター会場に20回以上も通わなければならず、教材を見ずにテスト受験しなければならないと、ハードルがかなり高い可能性があります。
USCPAの勉強は基本的に自分のパソコンを使ってE-Learningで行うことが多いです(私はE-learningのみで合格しました)。
つまり、アビタスは自宅の場所がどこにあろうと関係ありません。
よく考えてから予備校を選びましょう。
どうしても説明会に参加出来ない方、セミナー参加が面倒な方、今すぐにでも説明を聞きたい方は電子資料を請求をすることもできます。
「説明会の参加」と「資料の請求」は共に以下のボタンから可能です。
なお、アビタス
他の予備校と比較することが可能なので、この機会に申し込んでおきましょう。
ここで動かなければ、この先あなたの人生は何も変わりません。
説明会に参加すれば、USCPAに関するお得な本(1,000円相当)がプレゼントされる場合もあります。(ご確認下さい。あくまでおまけ程度のものですが)
※以下のリンクをクリックすればセミナー申込み/資料請求が可能です
※クリックで公式サイトへ移動します
資料請求後、すぐに資料内容が閲覧可能です。
おまけ(USCPA 受験者情報:米国、全世界Top30)
おまけの項目として、USCPA受験者の情報をいろいろ触れるツールを用意しました。
米国の54州の受験者の情報や、USCPAを受験している全世界の受験者の情報をみることができます。
この州はここにあったのか、、というような発見も含め、好きなところをクリックして遊んでみましょう。(特に「ワシントン州」)
※データは無償で公開されている2016年までのものです
以下の情報が分かります。
※スマホの人は画面を横にして見てください(PC推奨)
USCPA受験者(米国)情報
- USCPA受験者(全世界Top30)情報
最後に
いかに予備校のマーケティングが上手いかが分かりました。
50%の合格率って一体。。。
これからUSCPAの勉強を検討している方は、この事実を知った上で根気よく頑張って頂きたいと思います。
逆を言えば難易度が高い分、合格すれば非常に価値のある資格ということです。
私の場合は仮に難易度が高い資格と分かっていたら、もしかしたら受験を最初から検討していなかった可能性があるので、今思うと1,000時間(1年間で合格できる資格)とマーケティングしてくれていて良かったです。(科目試験に落ちた時はかなり恨みましたが…笑)
また、自分のスケジュールに合わせて受験ができる分、日本の公認会計士よりも受験しやすいですし、社会人にはうってつけの資格です。
人生変えるため、USCPAに挑戦してみてはいかがでしょうか?