ecoslymeです。
自社は他社と比べて何か見劣りする。
でもその原因が漠然としていて可視化できない。。
しかし、自社にも自社の強みがあり、他社に負けない。
けれども、その強みって一体どれほど価値があるものなのか?
こんな風に思うことってありませんか?
どのように考えれば良いか分からないから、頭の中でもやもやしていて、点でしか話ができない。
これでは価値の全体像が分からず、自社の強みを強化しても本当に意味のあることなのか分かりません。
たまたま強化したら業績が上がった、ということではこの先運次第で生きていかざるを得ません。
そこで、この記事ではバリューチェーン分析についてご紹介します。
他社と自社の違いや強みを適切な観点から把握し、対策を考えられるようにしましょう。
強化すべき領域を知るための「バリューチェーン分析」
それでは早速、バリューチェーンについてご紹介していきます。
ある企業の企業分析を行う場合、何をもって企業分析と言っているでしょうか?
定量的な分析もあれば、定性的な分析もあります。
財務分析もあれば、人の分析、モノ(商品)やサービスの分析もあります。
バリューチェーン分析とは、企業がユーザーに対して提供しているバリューが具体的にどの機能・活動の流れにより構成されているのか、に着目して分析します。
そして、どんな活動が価値を生み出すのに重要なのかを分析していきます。
このバリューチェーンという概念は、マイケル・ポーターの「競争優位の戦略」を元にしています。
上の図について解説します。
上の図は、バリューチェーン(価値連鎖)の基本形と呼ばれるものです。
以下の5つが、価値提供に対して直接的に貢献している機能です。
- 購買物流
- 製造
- 出荷物流
- マーケティング・販売
- サービス
そして、以下の4つがその価値を間接的に視点している機能になります。
- 全般管理
- 人事・労務管理
- 技術開発
- 調達活動
- 「マージン」=ユーザーに提供している総価値から、上記9つの総コストを引いた値
つまり利益というものは、企業が提供している価値から、以上の9つの機能にかかるコストを引き算したものになります。
バリューチェーン分析を行うことによって、以下のことが明らかになります。
・企業の事業活動プロセス
・重要な役割を占めている機能
・競争優位のある(価値の高い)機能
・競争優位のない(価値の低い)機能
・今後、事業活動の中で強化すべき領域
バリューチェーン分析により、他社と自社の比較を行えるため、どのプロセス(機能)が他社に比べて優位なのかが明白になります。
そして、自社のプロセスの中で機能性の低い部分を今後強化していけば良い、などと方向性が見えてきます。
バリューチェーン分析の例
それでは、具体的にバリューチェーン分析の例を考えてみましょう。
上記で説明した概念的な話だけではあまりしっくり頭に入ってこないかもしれません。
ここで、具体的にレストランについて考えてみましょう。
上の図のように、比較すべき項目が可視化させることができます。
ここまで考えられれば、あとは深掘りをしていけば良いのです。
例えば、自社が高級レストランであり客足が少なくなっているのであれば、子供連れが入りやすい高級レストランにできないか、と検討していくことができます。
子供連れの場合は料理が半額とか、設備を充実させるとかしていけば、パイを高級レストラン層のユーザーだけでなく、ファミリーレストラン層のユーザーにまで広げられます。
自社が一般的なレストランであり、一般的なレストランを競合として考えていくのであれば、競合他社(半径500m以内の一般的なレストランなど)を複数社比較して、同様にバリューチェーンを書き出していけばOKです。
これにより、自社の強みや弱みが明らかになっていきます。
バリューチェーン分析の例2
次に飲食業ではなく、業務委託を請け負うサービス業について考えていきたいと思います。
代表的な業務請負の形態として、以下の3つがあります。
・SSC
・オフショア
・BPO
SSC(シェアードサービスセンター)とは、親会社の立場でいえば各グループ会社の共通業務(財務、経理、システム、人事関係など)を集約し、コスト削減や効率化を図ることを目的に設立される会社です。
オフショアとは、簡単に言うと業務を海外委託・発注する手法です。
BPO(アウトソーシング)とは、Business Process Outsourcingの略で、企業が業務プロセスの一部を、外部の専門業者に委託することです。
以上のような図で表すことができました。
3つの業務委託の形態を比較しています。
比較方法はこれだけでなく、別の視点でも考えられると思いますので、各々自社で気になっている項目を1つだけでなく、複数書き出して言って貰えればと思います。
近年ではSSCを設立している会社が多くなってきていますが、SSCへ異動された社員は上記の業務委託形態の会社があることを意識したほうが良いでしょう。
SSCの人材が優秀でなければ、もしかしたらSSCから優秀で人件費の安い海外(ベトナムやインドなど)へ業務委託を行ってしまうことも十分に考えられます。
特に人事の給与計算などはルールが明確になっていれば、守秘義務を遵守させるようにして安い人件費の海外人材へ業務委託し、社員一人一人の給与を計算させたほうが、日本人がエクセルを駆使して算出する給与計算を行うより費用が安くなる可能性もあります。
最後に
いかがでしたか?
そもそも何を分析すれば良いのかわからない、思いつきで考えても本当にその案だけで良いのか、思考に漏れがないのかと言った懸念が、バリューチェーン分析を用いることで払拭されると思います。
バリューチェーン分析は、この記事の例のように、大枠で見る(マクロの視点)ことと、詳細を見る(ミクロの視点)ことの両方を用いることができます。
まずは業界という大枠で見てから、同じ形態の競合と自社を比較していくということをすれば、自社の強みの分析や強化しなければならないプロセスが洗い出されることでしょう。
他の主要なフレームワークについては、以下の記事にまとめていますのでご覧下さい。
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