ecoslymeです。
皆さんの会社の強みって何ですか?
それを自分で把握しているでしょうか?
製品を売っているけれども、「何かいい感じに売れる」、など漠然としていたりはしないでしょうか?
他にも弊社の技術力が優秀とか、営業力が優秀とか考えられるものはあると思いますが、会社の中核を担っている強みを本当に把握しているでしょうか。
営業力が強いから会社の製品が売れていると思っていて、営業マンの給料を上げ技術者の給料を下げたとします。
その後、その商品を作った技術者が転職してしまい、会社の業績がガタ落ちしてしまった。。。
実は営業マンの営業力ではなく、普段は物静かで存在感が薄い技術者Aさんの技術力が驚異的に優れていたから製品が売れていた、なんてことが後で分かった日には経営者の手腕が問われてしまいます。
会社の本当のコアを知らなかったために会社を危機に晒すことが起こりえます。
本当に強化すべき、維持すべき会社のコアは何なのか、これを機に考えてはみませんか?
そこでこの記事では、コアコンピタンス分析についてご紹介します。
マーケティング(市場)戦略の基礎となる重要なフレームワークですので、必ず覚えましょう。
自社の持つ強みの把握に「コアコンピタンス分析」
それでは早速、コアコンピタンス分析についてご紹介していきます。
コアコンピタンス分析の意味
コアコンピタンス分析の意味について紹介していきます。
コアは中核、コンピタンスは能力といった意味になります。
企業が競合他社に対して圧倒的優位にある事業分野や、他社には真似できない技術やノウハウになります。
コアコンピタンスとなるためには以下の3要素が必要と言われています。
・競合企業に模倣されにくいこと
・顧客に対して付加価値を与えたり、価値創出に繋がること
・多様な市場(幅広い分野)に対して展開可能、応用可能であること
それでは、各々の項目について説明していきます。
競合に模倣されにくい
まずは、競合に模倣されにくいという意味から説明します。
いくら他の企業が頑張っても真似できないような要素になります。
イメージしづらいと思うので、メーカーの場合を考えてみます。
ある製品の技術の特許を持っているだけでも、他社は真似できません。
また、ある製品を製造するのに1回で100トンもの製品を製造できる釜があるとします。
他社はその釜を設備として取り入れることが非常にハードルが高いでしょう。
それによりコストメリットが出てくるので、新規で入り込んでくる企業にとってはコストで勝てません。
では、最初に200トンもの製品を製造できる釜を作って対抗しようとするでしょうか?
顧客もいないし、釜を作ったからといって本当に他社のシェアを奪えるかは分からないので、まず設備導入はしないでしょう。
優秀な設備がある、ということも競合に模倣されにくい要素でしょう。
顧客に対しての付加価値
次に、顧客に対しての付加価値について説明します。
顧客にとって価値が高まる要素になります。
こちらも例を考えてみましょう。
製品の保証期間が他社は1年間のところ、自社は5年間となれば、顧客にとって非常に価値は高いでしょう。
製品が他社品では2年でダメになるものが、自社だと平均で10年間の耐久性がある、という強みがこの保証期間の差を産むことができるとなれば多いな付加価値となるでしょう。
また他の例として、自社から購入してくれた場合、顧客がサプライチェーン分析ができるようなデータを渡します、というだけでも顧客にとっては付加価値になるかもしれません。
顧客がBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策をしやすいので、このご時世助かる、という反応になるかもしれません。
顧客でのデータ集計にかける管理コストの削減につながるとなれば、付加価値が数値化できます。
多様な市場に展開、応用可能
最後に多様な市場に展開、応用可能という意味について説明します。
特殊な技術などがあったとしても、それが特定の1つの分野にしか用いることができないもので、その稼げる市場が時代の流れとともにシュリンク(縮小)してしまえば、コアな要素とは言えません。
他の市場に展開することができ、応用可能なものであれば、その強い技術力のまま他業界に挑むことができます。
コアコンピタンスの一例
それでは、どのようなコアコンピタンスの種類があるのか、一例をご紹介します。
ここで紹介する要素以外にもコアコンピタンスはありますので、自社の場合はどうなのか考えてみて下さい。
他社と比較できるように、数値化できて客観的に分析できる指標が必要です。
データの収集が非常に難しいかもしれませんが、分析に必要となれば営業に依頼、専門業者に依頼するなどして情報を集めてきてもらうのも良いかもしれません。
<商品力>
・商品・サービスの開発数、特許保持数
・開発スピード、開発人員数
・製品シェア
・生産設備の生産容量
<企画力>
・リサーチ能力(データ量)
・プランニング能力
・顧客への提案数(内容含む)
<営業力>
・営業人員数
・企画提案数(質も含む)
・顧客名簿数
<サポート力>
・相談対応人員数
・製品保証期間
・顧客満足度
ここで注意なのが、上記方法で網羅的にデータ分析ができるように見えるかもしれませんが、分析すべき項目が挙げられていない場合があります。
データを比較するときにそのデータを取集することが難しかったり、主観が入ってしまう可能性もあるため、必ずしも適切な方法とは言えません。
コアコンピタンス分析のおすすめの方法
上記の方法で網羅的にコアコンピタンスを抽出していくこともできますが、他にコアコンピタンスを抽出していく方法があります。
結局現在、自社で売れている製品から考えていきます。
売れているということは結果論ですので、なぜその製品が売れているのかを逆算方式で考えていくことができます。
例えば、カレー屋さんの例で考えてみます。
以下の商品を販売しているとします。
<カレー最終商品>
・チキンカレー
・ドライカレー
・ポークカレー
・ビーフカレー
・野菜カレー
チキンカレーで利用するチキンが国産の上等なものを、非常に安価で仕入れられるルートがありました。
これは自社の社長と販売ルートの商社の社長が幼馴染で、このコネが非常に強いものです。
しかしこのカレー屋さんでは、一番売れているカレーがチキンカレーではなく、ポークカレーでした。
実は、顧客はチキンではなく、そのカレーのルーの辛さを20倍まで変更できるというサービスが他店には無いから来ていたというだけでした。
ポークカレーの値段がお店で一番安かったので、お客さんはポークカレーにしているだけでした。
調べてみると、似たような上物のチキンは実は同じ地域ではどこのお店でも仕入れられるものでした。
そうなると、自社の強み(コアコンピタンス)は仕入れルートではなく、辛さを変更できるサービスでした。
結果から逆算するだけで、自社の本当のコアコンピタンスを分析していくことができます。
そうなると戦略も変わっていきますよね。
最後に
いかがでしたでしょうか。
実は自分の強みは、自分が思っているものではなく、別のものということがありえます。
会社で仕事をしていても、当たり前と思っていることが実は他人が真似できないスキルだった、ということがあり得ます。
自社というくくりではなく、自分という対象でコアコンピタンス分析を行ってみるのも面白いでしょう。
伸ばしていくべきスキルを発見できるかもしれません。
他の主要なフレームワークについては、以下の記事にまとめていますのでご覧下さい。
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