ecoslymeです。
働き方改革が求められているこの時代、業務の抜本的な改革が必要になっています。
社内やWebセミナーなどの案内でも時々聞くようになったBPRという言葉ですが、一体どのようなものなのでしょうか?
BPRという言葉を知っている人も知らない人もこの記事を読んで、BPRについての正しい知識を身に付けましょう。
BPRとは何か?
BPRとは、ビジネス・プロセス・リエンジニアリング(Business Process Reengineering)の頭文字をとって略しています。
日本語では「業務改革」や「業務再設計」と訳されており、企業改革の代表的な手法の一つです。
最近BPRという言葉を聞く機会が多くなったように思いますが、実は1993年のマイケル・ハマー(元MIT教授)とジェイムズ・チャンピー(経営コンサルタント)の「リエンジニアリング革命」が元だと言われています。
本の中では、リエンジニアリングの定義は以下のように記されています。
このリエンジニアリングの定義には、「根本的」、「抜本的」、「劇的」、「プロセス」という 4 つのキーワードがあるとしています。
- リエンジニアリングの4つのキーワード
①根本的 :なぜ現在それを行っているのか、そしてなぜそれを今の方法で行っているのか、といった根本的な質問をすること
②抜本的 :表面的な変革を行ったり、既存のものに手を加えたりすることではなく、古いものを捨ててしまうこと
③劇的 :業績において小さな改善や漸進的な改善を行うことではなく、大飛躍を達成すること
④プロセス :ビジネス・プロセスを、1つ以上のことをインプットして、顧客に対して価値のあるアウトプットを生み出す行動の集合
過去に、様々な企業で業務の細分化や業務の専門化が行われてきましたが、それによりプロセスが複雑化してしまい、不便になったり非効率でコストがかかってしまうようになりました。
BPRでは、逆にビジネス・プロセスの単純化が必要としています。
BPRがもたらす利益
BPRを行うとどのような利益がもたらされるのでしょうか?
BPRがもたらす結果として、以下の9つ特徴があげられます。
- BPR実施後のビジネス・プロセス
①:以前にはそれぞれ別々に分かれていた仕事や業務が統合され、1 つにまとめられる
②:従業員による意思決定
③:ラインによる人為的な仕事の流れではなく、何の次に何が行われるべきか、という観点からの必然的で自然な仕事の流れ
④:標準化をやめ、異なる市場、状況、インプットに合わせた複数のパターンのプロセス
⑤:仕事が組織の壁を越えて行われること
⑥:チェック回数を減らし、経済的に意味があるときのみ管理を行うこと
⑦:プロセスに必要な外部との取引の接点の数を減らすこと
⑧:依然として複雑なプロセスと顧客との緩衝材としての「ケース・マネジャー」の存在
⑨:仕事の分権化と集権化の組み合わせ
BPRのステップ
BPRの一般的なステップ(進め方)についてご紹介します。
特に、検討段階の目的・目標の設定 (①)、分析段階の分析・課題の把握(③)、設計段階の戦略・方針の策定、実施方法の検討(④)が重要なので、十分に時間をかけて考える必要があります。
目標の設定(①)に関しては、定性目標だけでなく定量目標も指標として利用するとなると、指標探しが非常に難しいです。
BPR実施の事例
BPR実施の事例をご紹介します。
「取組例」の文字をクリックすると該当ページへ移動します。
業態 | 取組例 | BPRの効果 |
製造業 | 組織改革・シェアードサービス | コスト50%削減 |
最後に
いかがでしたでしょうか?
部分最適や、一時凌ぎの業務改善ではあまり効果は出ないことは目に見えて分かります。
今後も続けれられるような仕組みまでアウトプットとして出さなければ、本当の業務改革にはなりません。
プロジェクトに関わっている従業員も、BPRのプロジェクトに関わることで享受するメリットなども肌身で感じてくるはずです。
根本的に業務が改善されて、自分の仕事が非常に楽になる!と思う人も出てくるでしょう。
もし会社でBPRプロジェクトが行われている場合、積極的に参加してみるのはいかがでしょうか?
面白い世界が待っているかも知れませんよ。
今後、BPRで成功した企業の例を紹介していきたいと思います。
BPRとは切り離して考えることのできない、ECRS(イクルス)という業務効率化のフレームワークについても記事をまとめていますので、こちらもご覧ください。