ecoslymeです。
経理や財務の人で、自己研鑽を通じて自分の会計スキルを高めたいと思っている人は多いと思います。
会計系の検定や資格は意外と多く、「簿記」や「ビジネス会計検定」、「BATIC」、「FASS検定」、「USCPA」、「財務報告実務検定」と言った資格や検定があります。
その会計系の検定の中に「IFRS検定」というものがあるのはご存知でしょうか。
IFRSという言葉は会計に絡んでいる人で知らない人はいないと思いますが、IFRS検定という資格があるのはご存知でしょうか?
IFRSは知っているけど、IFRS検定がどのような資格なのか分からない人もいると思います。
難易度はどれくらいで、どんなテキストで勉強すれば良いの…?
IFRSの知識を体系的に学べるテキストってないの?
IFRS検定を受験することによって、どのようなメリットがあるのでしょうか?
そこでこの記事では、IFRS検定とはどのようなものなのかと、オススメするUSCPAの資格についてもご紹介したいと思います。
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目次
IFRS検定とは何か
IFRS検定は、国際会計基準(IFRS)の広範な知識と理解力を測ることを目的とする検定試験です。
IFRS:International Financial Reporting Standards(国際会計基準)
※IASB(国際会計基準審議会)によって設定された会計基準
2009年12月から、ICAEW主催のIFRS検定の日本語試験が開始しました。
英語以外での言語のIFRS検定実施は世界初で、語学力の壁を取り除いた純粋なIFRS知識を測ることが可能となり、日本人にとっても受験しやすい試験となりました。
- IFRS検定の特徴
・ICAEW (The Institute of Chartered Accountants in England and Wales:イングランド・ウェールズ勅許会計士協会)が主催
・試験時間:2時間
・客観形式問題:60問(マークシート形式)
・正答率:60%で合格
・IFRSの基準書3冊(IFRS Standards Part A,B,C)をベースに出題
今後多くの国や企業でIFRSが採用される、もしくは基準が寄せられていく可能性があります。
財務系や経理系の人間として今後生きていくには、企業のグローバル化は無視できないため、国際会計基準を学んでいく必要が出てくると考えられます。
おそらくこのIFRS検定の受験者が急増することが予想されますので、早い段階で(試験は早く受験した方が簡単な場合が多い※)合格することをオススメします。
IFRS検定 受験をおすすめする人
IFRS検定受験は、以下のような方にオススメです。
・会計の勉強の自己研鑽を考えている人
・グローバル人材を目指している人
・簿記(2級など)の知識だけでなく、国際的な会計基準も知りたい人
・USCPAの受験を考えており、別の角度から自己研鑽を図りたい人
IFRS検定の試験概要について
では、IFRS検定はどのような試験なのでしょうか。
早速、IFRS検定の試験概要について詳細にご紹介します。
- 試験概要について
・試験方法
・出題範囲
・受験資格
・受験料
・申込期間、試験期間
試験方法
試験方法は以下のとおりです。
- IFRS検定 試験
・日本語
・年3回受験可能(2月、6月、11月)
・客観形式問題:60問(マークシート形式)
・電卓を試験会場に持ち込み可
・制限時間:2時間
・正答率:60%で合格
出題範囲
出題範囲についてご紹介します。
基本的にIFRSの基準書に沿って出題されます。
基準 | 項目 |
財務報告に関する概念フレームワーク | |
IAS(国際会計基準) | IAS1:財務諸表の表示 |
IAS2:棚卸資産 | |
IAS7:キャッシュ・フロー計算書 | |
IAS8:会計方針、会計上の見積の変更及び誤謬 | |
IAS10:後発事象 | |
IAS12:法人所得税 | |
IAS16:有形固定資産 | |
IAS19:従業員給付 | |
IAS20:政府補助金の会計処理及び政府援助の開示 | |
IAS21:外国為替レート変動の影響 | |
IAS23:借入コスト | |
IAS24:関連当事者についての開示 | |
IAS26:退職給付制度の会計及び報告 | |
IAS27:個別財務諸表 | |
IAS28:関連会社及び共同支配企業に対する投資 | |
IAS29:超インフレ経済下における財務報告 | |
IAS32:金融商品 | |
IAS33:1株当たり利益 | |
IAS34:期中財務報告 | |
IAS36:資産の減損 | |
IAS37:引当金、偶発負債及び偶発資産 | |
IAS38:無形資産 | |
IAS40:投資不動産 | |
IAS41:農業 | |
IFRS(国際財務報告基準) | IFRS1:国際財務報告基準の初度適用 |
IFRS2:株式に基づく報酬 | |
IFRS3:企業結合 | |
IFRS4:保険契約 | |
IFRS5:売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業 | |
IFRS6:鉱物資源の探査及び評価 | |
IFRS7:金融商品 | |
IFRS8:事業セグメント | |
IFRS9:金融商品 | |
IFRS10:連結財務諸表 | |
IFRS11:共同支配の取決め | |
IFRS12:他の企業への関与の開示 | |
IFRS13:公正価値測定 | |
IFRS15:顧客との契約から生じる収益 | |
IFRS16:リース |
受験資格
受験資格は特にありません。(学歴条件、実務条件はなし)
受験料
受験料は、以下になります。
・受験料:47,300円
・早期割引価格:40,700円(先着30名)
申込期間・試験期間
申込期間や試験期間は以下になります。
・試験期間:年3回(2月・6月・11月)
例として、2021年11月度の試験日時、試験申込期限を載せておきます。
申込期限は毎回以下のような感じの余裕があります。
試験会場はアビタス
試験日時 | 2021年11月7日(日)10:00 ~ 12:00 |
試験申込 | 2021年9月18日(土)~ 10月29日(金) |
試験会場 | 東京会場(株式会社アビタス 新宿校内) 大阪会場(株式会社アビタス 大阪校内) |
---|
実施回数、及び実施月に関しては変更が入る可能性があります。
以下の公式サイトからIDを登録する必要があります。
https://www.ifrs-kentei.com/regist/index.php
最新の試験期間を知りたい人は、以下のURLから確認してください。
IFRS検定 受験者データについて
IFRS検定の受験者データがありますので、参考にしてください。
- 合格率、平均点等
開催日 | 平均点 | 最高点 | 合格率 | ||
---|---|---|---|---|---|
全受験者 平均点 | 合格者 平均点 | ||||
第43回 | 2021年6月6日(日)東京・大阪 | 69.0 | 73.9 | 88 | 83.3% |
第42回 | 2021年2月6日(土)東京・大阪 | 58.6 | 71.3 | 80 | 55.0% |
第41回 | 2020年11月8日(日)東京・大阪 | 68.8 | 76.9 | 93 | 73.3% |
受験者は、簿記2級を所持している人が約7割います。
また、財務経理系の人が半分を占めています。
受験者の80%以上が合格している回もありますので、非常に合格率の高い試験だと思われます。
なお、受験者数の情報はありませんでした。
簿記が異常なほど受験者が多いです。
BATICは年間3,000人弱、ビジネス会計検定は年間15,000人、FASS検定は年間5,000人が受験しています。
IFRS検定 難易度・勉強時間について
IFRS検定の難易度はどれほどのものなのでしょうか?
上のデータでご紹介しましたが、合格率が80%を超える回もあります。
受験者数が少ないこともあり具体的な情報収集は難しいのですが、Web上の情報をみてみるとIFRS検定に合格するのに100〜200時間という意見が複数見つかりました。
情報が圧倒的に足りていませんので、受験経験のある方はぜひご連絡頂ければ幸いです。
- 勉強時間について
・100〜200時間
つまり、難易度はやや低いという試験かと思います。
IFRS検定のサンプル問題
IFRS検定のサンプル問題が公式から公開されていますので、興味ある方は以下のリンクをご覧になってください。
サンプル問題の一例を載せます。
(下に答えがあります。問題を解きたい人はゆっくりスクロールしてください)
IFRS検定 サンプル問題
↓下に答えがありますので、先にスクロールしないようにご注意を
IFRS検定 サンプル問題 答え
気になると思うので、答えの方も載せて置きます。
例題1)C
例題2)D
例題3)A
例題4)D
いくつ正解できましたか?
ちょっと受験してみたくなったかも、と思った人もいるのではないでしょうか?
IFRS検定の学習について
IFRS検定を学習するに当たって、おすすめのテキストと問題集をご紹介します。
・IFRS検定 公式テキスト&公式問題集
最新版が見つからない場合は、以下のURLから公式テキストと公式問題集を探してみましょう。
Abitus(アビタス)でもIFRS検定の講義があるので、気になる人は一度ご覧になってください。
USCPA(米国公認会計士)のススメ
この記事ではIFRS検定をご紹介しました。
IFRS検定合格後に、USCPAの資格取得に取り掛かる人も多い印象です。
IFRS検定は昔は英語での受験から日本語での受験となってしまったため、逆に会計の英語力を高めることができなくなってしまいました。
会計だけでなく英語も得意な人で、英語×会計の力をアピールしたい方はUSCPA(米国公認会計士)を視野に入れるのが良いでしょう。
同期や職場の人たちに差をつけるには、早いこと動いておいた方が良いです。
私はUSCPA(米国公認会計士)ですが、そのUSCPAの資格の威力は絶大だと感じています。
USCPAに少しでも興味が湧いた方は、一度以下の記事をご覧になってください。
※クリックで公式サイトへ移動します
資料請求後、すぐに資料内容が閲覧可能です。
最後に
いかがでしたでしょうか?
IFRS検定の存在は知っていたけど、どんな試験内容なのか分からなかったという方は、少しイメージが出来たのではないでしょうか。
IFRS検定に合格すれば、社内に自分の存在感をアピールすることができると思います。
しかし、IFRS検定は英語ができてこそ生きる資格だと思っていますので、USCPA取得や他の資格取得のための通過点として利用している人が多いのではないでしょうか?
USCPA(米国公認会計士)を受験する前の力試しとして勉強、挑戦するのも良いかと思います。
国際的な会計基準を知っている人は、今後食いっぱぐれることがなくなる可能性が高くなると考えられます。
一度USCPAについて調べてみると世界観が変わるかもしれないので、この機会に見てみましょう。
他の財務経理系の資格について気になる方は以下の記事をご覧ください。