ecoslymeです。
経理や財務の人は、自己研鑽などで自分の会計スキルを高めていきたいと思っている人も多いと思います。
何を勉強すれば良いのだろうと色々と調べていくと、「簿記」や「ビジネス会計検定」、「BATIC」や「USCPA」という単語を耳にして、どのような資格なんだろうと気になった人も中にはいるはず。
特にビジネス会計検定となると、一体どのような資格なのか未知に思う人もいると思います。
2級などの資格を取得して意味あるの…?
何か私の会計の実力を見える化できるテストってないの?
ビジネス会計検定を受験することによってどのようなメリットがあるのでしょうか?
そこでこの記事では、ビジネス会計検定とはどのようなものかということと、オススメするUSCPAの資格についてもご紹介したいと思います。
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目次
ビジネス会計検定とは何か
ビジネス会計検定試験は、財務諸表に関する知識や分析力を問うもので、財務諸表が表す数値を理解しビジネスに役立てていくことに重点を置いています。
簿記が財務諸表の作成に重点を置く資格であることに対して、ビジネス会計検定は財務諸表の分析・利用に重点を置く資格になります。
- ビジネス会計検定の特徴
・大阪商工会議所が主催(簿記検定の主催は、日本商工会議所と各地商工会議所。BATICの主催は東京商工会議所)
・財務諸表の知識や分析力を測る検定試験
・ビジネス会計検定1級(準1級)、2級、3級がある
・100点満点(2級、3級:70点以上で合格)、200点満点(1級:論述式50点以上かつ全体で140点以上、準1級:120点〜139点)
つまり、簿記検定の分析Verのような試験と考えてもらうとわかりやすいと思います。
現時点では、あくまで評価される可能性があるのは日本にある企業で、この資格の価値を知っている担当者がいる企業になります。
ビジネス会計検定受験をおすすめする人
ビジネス会計検定受験は、以下のような方にオススメです。
・会計の勉強の自己研鑽を考えている人
・体系的に財務諸表の分析手法等を知りたい人
・USCPAの受験を考えており、別の角度から自分の今の実力を知りたい人
・転職を考えている人
ビジネス会計検定の試験概要について
では、ビジネス会計検定はどのような試験なのでしょうか。
早速、ビジネス会計検定の試験概要について詳細にご紹介します。
- 試験概要について
・試験方法
・出題範囲
・受験資格
・受験料
・申込期間・試験期間
試験方法
試験方法は以下のとおりです。
<2級、3級>
・マークシート方式。
・制限時間:2時間。
・100点満点のうち70点以上で合格。
<1級>
・マークシート方式および論述式
・制限時間:2時間30分。
・200点満点で、論述式50点以上かつ全体で140点以上の得点で合格。
※不合格者のうち、120点以上で準1級
出題範囲
出題範囲について、3級、2級、1級の順番でご紹介します。
準1級に関しては1級の試験の得点により付与される資格なので、1級と同じ出題範囲です。
ビジネス会計検定3級
3級は、以下の項目です。
出題範囲 | 詳細 |
1.財務諸表の構造や読み方に関する基礎知識 | 財務諸表とは |
貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の構造と読み方 | |
2.財務諸表の基本的な分析 | 基本分析 |
成長率および伸び率の分析 | |
安全性の分析 | |
キャッシュ・フロー情報の利用 | |
収益性の分析 | |
1株当たり分析 | |
1人当たり分析 |
ビジネス会計検定2級
2級は、以下の項目です。
出題範囲 | 詳細 |
1.財務諸表の構造や読み方、財務諸表を取り巻く諸法令に関する知識 | 会計の意義と制度 |
連結財務諸表の構造と読み方 | |
2.財務諸表の応用的な分析 | 基本分析 |
安全性の分析 | |
収益性の分析 | |
キャッシュ・フローの分析 | |
セグメント情報の分析 | |
連単倍率と規模倍率 | |
損益分岐点分析 | |
1株当たり分析 | |
1人当たり分析 |
ビジネス会計検定1級(準1級)
1級と準1級は、以下の項目です。
出題範囲 | 大項目 | 詳細 |
1.会計情報に関する総合的な知識 | ディスクロージャー | ディスクロージャーとは、会社法上のディスクロージャー、金融商品取引法上のディスクロージャー、証券取引所が求めるディスクロージャー、任意開示、ディスクロージャーの電子化 |
財務諸表と計算書類 | 財務諸表と計算書類の体系、連結損益計算書・連結包括利益計算書・連結貸借対照表・連結キャッシュ・フロー計算書、連結株主資本等変動計算書の内容 | |
財務諸表項目の要点 | 金融商品、棚卸資産、固定資産と減損、繰延資産と研究開発費、引当金と退職給付、純資産、外貨換算、リース会計、税効果、会計上の変更および誤謬の訂正、連結財務諸表注記と連結附属明細表、セグメント情報、企業結合・事業分離 | |
財務諸表の作成原理 | 概念フレームワーク、会計基準、内部統制 | |
2.財務諸表を含む会計情報のより高度な分析 | 財務諸表分析 | 分析の視点と方法、収益性の分析、生産性の分析、安全性の分析、不確実性の分析、成長性の分析 |
企業価値分析 | 企業価値評価のフレームワーク、割引キャッシュ・フロー法による企業価値評価、資本コストの概念、エコノミック・プロフィット法による企業価値評価、乗数アプローチによる企業評価、これからの企業価値評価 |
受験資格
受験資格はゆるいです。
・学歴・年齢・性別・国籍に制限はありません。
・希望の級から受験可能です。
・連続する2つの級を同日に受験することができます。
受験料
受験料は受験する級によって異なりますが、比較的安価です。
受験料 | 級 |
4,950円(税込) | 3級 |
7,480円(税込) | 2級 |
11,550円(税込) | 1級 |
申込期間・試験期間
ビジネス会計検定の試験は、2級と3級は年に2回で、1級(準1級)は年に1回です。
2021年度の試験は以下の2つの日程(上半期と下半期)です。
試験回 | 受験可能な級 | 申込期間(2021年) | 試験期間(2021年) | |
---|---|---|---|---|
ビジネス会計検定 | 第29回 | 2級、3級 | 2021年8月30日(月)~ 9月10日(金) | 2021年10月17日(日) |
第30回 | 1級、2級、3級 | 2022年1月24日(月)~ 2月4日(金) | 2022年3月13日(日) |
最新年度の試験期間を知りたい人は、以下のURLから確認してください。
なお、クレジットカード決済ではなく、コンビニ店頭決済の場合は申込期間が少し短くなります。
受験地については、札幌、仙台、さいたま、東京、横浜、新潟、金沢、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、山口、松山、福岡の中から受験地を選択することができます。
ビジネス会計検定 受験者データについて
ビジネス会計検定の受験者データがありますので、参考にしてください。
回 | 試験日 | レベル | 申込者数(人) | 実受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
第28回 | 2021年3月14日(日) | 1級 | 281 | 217 | 53 | 24.40% |
2級 | 2,860 | 2,124 | 1,093 | 51.50% | ||
3級 | 5,216 | 4,321 | 2,927 | 67.70% |
実受験者は、第28回だけでも8,500人弱が受験しています。
年間2回受験可能(2級と3級)ですので、年間約15,000人強が受験している感じです。
資格試験の受験者数としては多いように思います。
簿記が異常なほど受験者が多いと思ってもらえればと思います。
ちなみに漢検は、年間200万人位受験しています。
ビジネス会計検定 難易度について
ビジネス会計検定の難易度はどれほどのものなのでしょうか?
上のデータでご紹介しましたが、1級の合格率が24.4%、2級と3級も50〜70%程の合格率があります。
一般的な勉強時間については以下をご覧ください。
- 勉強時間について
・3級:50〜100時間
・2級:100〜150時間
・1級:500時間
簿記3級、2級の知識がある人がビジネス会計検定を受験するだろうということを考えて、難易度はビジネス会計検定2〜3級に関してはやや高く、ビジネス会計検定1級に関しては難易度はやや低い、と考えて良いのではと思います。
簿記1級の試験は約800時間ほどかかるため、それと比較して考えています。
また、合格者数に関しても簿記1級の合格者数は10%ほどですが、ビジネス会計検定に関しては2倍以上の合格率となっています。
ビジネス会計検定の過去問
ビジネス会計検定の過去問が公式から公開されていますので、興味ある方は以下のリンクをご覧になってください。
過去問の一例を載せます。
ビジネス会計検定 過去問
<ビジネス会計検定 3級>過去問
<ビジネス会計検定 2級>過去問
<ビジネス会計検定 1級>過去問
ビジネス会計検定 過去問 答え
気になると思うので、答えの方も載せて置きます。
<ビジネス会計検定 3級>答え
<ビジネス会計検定 2級>答え
<ビジネス会計検定 1級>答え
いくつ正解できましたか?
ちょっと受験してみたくなったかも、と思った人もいるのではないでしょうか?
ビジネス会計検定の学習について
ビジネス会計検定を学習するに当たって、おすすめのテキストと問題集をご紹介します。
・ビジネス会計検定 テキスト
・ビジネス会計検定 問題集
TACでもビジネス会計検定の講座がありますので、受講してみるのも良いかもしれません。
気になる人は資料請求をしてみましょう。
USCPA(米国公認会計士)のススメ
この記事ではビジネス会計検定をご紹介しました。
会計だけでなく英語も得意な人で、英語×会計の力をアピールしたい方はUSCPA(米国公認会計士)を視野に入れるのが良いでしょう。
ビジネス会計検定は、受験者数も簿記よりも少なく日本企業のグローバル化が進む中で、その価値はそれほど高くはならないものと予想されます。(あくまで私の推測です)
また、ビジネス会計検定の資格を取ったところで企業が評価してくれるかは、大阪商工会議所のマーケティング能力次第という他力本願です。
(簿記のように日本で非常に有名な民間資格になれば良いですが、ビジネス会計検定はどこまで期待できるか不明です)
私はUSCPA(米国公認会計士)ですが、その資格の威力は絶大だと感じています。
USCPAに少しでも興味が湧いた方は、一度以下の記事をご覧になってください。
※クリックで公式サイトへ移動します
資料請求後、すぐに資料内容が閲覧可能です。
最後に
いかがでしたでしょうか?
ビジネス会計検定という言葉は聞いたことがあるけれどもどんな資格なのか分からなかったという方は、少しはイメージ出来たのではないでしょうか。
ビジネス会計検定は資格取得を目的とする検定試験ではなく、自己研鑽や他の資格取得のための通過点として利用している人が多いのではないでしょうか?
USCPA(米国公認会計士)を受験する前に、力試しとしてビジネス会計検定やBATICを受験する人もいるかもしれません。
国際的な会計基準を知っている人は、今後食いっぱぐれることがなくなると考えられますので、一度USCPAについて調べてみると面白いと思います。
他の財務経理系の資格について気になる方は以下の記事をご覧ください。