ecoslymeです。
USCPAの勉強をしているときに、時々「BATIC」という単語を耳にすることがありますが、一体どのようなものなのか気になったことがある人もいるのではないでしょうか。
BATICは国際会計検定の訳です。
TOEICのように自分の英語×会計に関する知識を点数化する試験になります。
USCPAとは何か関係あるの…?
何か私の会計と英語の実力を見える化できるテストってないの?
BATICを受験することによってどのようなメリットがあるのでしょうか?
例えばUSCPAを受験しようとしている人は、そもそもBATICを気にする必要があるのでしょうか?
そこでこの記事では、BATICとはどのようなものかUSCPAとの関係も交えてご紹介したいと思います。
USCPA受験者やUSCPA受験検討者は知識として知っておいて欲しいので、最後までご覧ください。
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目次
BATIC(国際会計検定)とは何か
BATICとは、Bookkeeping and Accounting Test for International Communicationの頭文字を取ってきたもので、国際会計検定の略になります。
「バティック」と読みます。
BATIC:Bookkeeping and Accounting Test for International Communication(国際会計検定)
BATICは以下のような特徴があります。
- BATICの特徴
・東京商工会議所が主催(簿記検定の主催は、日本商工会議所と各地商工会議所)
・英語での会計処理能力を測る検定試験
・400点満点のスコア制
・IFRS(国際会計基準)に沿って出題
つまり、簿記検定×TOEICのような試験と考えてもらうとわかりやすいと思います。
USCPA(米国公認会計士)の試験のように合否に価値があるわけではなく、スコアに価値がある検定です。
しかし主体は東京商工会議所なので、国際的な資格ではありません。
現時点では、あくまで評価される可能性があるのは日本にある企業(グローバル企業含む)や外資系企業であることに注意です。(それで十分でしょうが)
1000点満点の試験から400点満点の試験になり、Subject 2(国際会計理論)がなくなりました。
国際会計検定ではなく、簿記を英語で受験する検定に変わったようなものです。
BATIC受験をおすすめする人
BATIC受験は、以下のような方にオススメです。
・外資系企業への転職を考えている人
・海外展開をする企業でのグローバルな会計人材を目指している人
・USCPAの受験を考えており、自分の今の実力を知りたい人
・浅く広く英語で会計を効率よく勉強したい人
BATIC(国際会計検定)の試験概要について
では、BATICはどのような試験なのでしょうか。
早速、BATICの試験概要について詳細にご紹介します。
- 試験概要について
・試験方法
・出題範囲
・認定基準
・受験資格
・受験料
・申込期間・試験期間
試験方法
試験方法は以下のとおりです。
・多肢選択式(マークシート方式)および記述問題の2構成。
・出題はすべて英語。
・制限時間:70分
・試験結果の合否ではなく、400点満点のスコア制で受験者全員に点数の認定を行う。
出題範囲
出題範囲は2021年の新方式になってから非常に大きく変わりました。
従来の旧方式では、「Subject 1 英文簿記」と「Subject 2 国際会計理論」がありましたが、新方式では「Subject 1 英文簿記」のみになったと考えてもらって良いと思います。
言い方を変えると、BATIC(国際会計検定)とは言ってはいるものの、中身は簿記を英語で解くというようなものになりました。
新方式
新方式は以下の項目です。
・満点:400点
・制限時間:1時間10分
項目名(英語) | 項目名 |
Basic Concepts of Accounting and Bookkeeping | 会計と簿記の基本概念 |
Transactions and Journal Entries | 取引と仕訳 |
Journal and Ledger | 仕訳帳と元帳 |
Trial Balance | 試算表 |
Adjusting Entries | 決算修正仕訳 |
Accounting for Inventory and Cost of Sales | 棚卸資産と売上原価の会計処理 |
Worksheet and Closing Entries | 精算表と締切仕訳 |
Financial Statements | 財務諸表 |
Basic Assumptions and GAAP | 基本的な前提とGAAP |
Financial Statement Analysis | 財務諸表分析 |
Internal Control | 内部統制 |
Cash Control | 現金管理 |
Accounting for Assets and Liabilities | 資産と負債の会計処理 |
旧方式
旧方式では以下の項目でした。
・満点:400点(Subject 1)、600点(Subject 2)
・制限時間:1時間30分(Subject 1)、2時間30分(Subject 2)
- Subject 1(400点満点、90分)
項目名(英語) | 項目名 |
Accounts | 勘定科目 |
Debits and Credits | 借方と貸方 |
Journals | 仕訳帳 |
Ledger | 元帳 |
Sales Transactions | 売上取引 |
Purchase Transactions | 仕入取引 |
Cash Receipt Transactions | 入金取引 |
Cash Payment Transactions | 出金取引 |
Returns | 返品 |
Sales Discount | 割引 |
Notes | 手形 |
Interest Bearing Notes | 利子付手形 |
Columnar Cash Book | コラムナー現金出納帳(多桁式) |
Petty Cash Book | 小口現金出納帳 |
Internal Control | 内部統制 |
Bank reconciliation | 銀行残高調整表 |
Controlling Accounts | 統括勘定 |
Schedule of Accounts Receivable and Accounts Payable | 売掛金明細及び買掛金明細 |
Preparation of The Trial Balance | 試算表の作成 |
Accounting Structure | 会計の構造 |
Recording Financial Transactions | 取引の記帳 |
Adjusting and Closing Entries | 決算修正仕訳 |
Reversing Entries | 再振替仕訳 |
Preparation of the Worksheet | 精算表の作成 |
Financial Statements | 財務諸表 |
Generally Accepted Accounting Principles | 一般に公正妥当と認められた会計原則 |
Financial Statement Analysis | 財務諸表分析 |
- Subject 2(600点満点、150分)
※受験者の任意で受験可能(専門性が高い科目)
項目名(英語) | 項目名 |
International Financial Reporting Standards and its Conceptual Framework | IFRSとその概念フレームワーク |
Financial Statements | 財務諸表 |
Fair Value Measurement | 公正価値測定 |
Cash and Trade Receivables | 現金と売上債権 |
Inventories | 棚卸資産 |
Property, Plant, & Equipment | 有形固定資産 |
Intangible Assets | 無形資産 |
Impairment of Property, Plant and Equipment,and Intangible Assets | 有形固定資産および無形資産の減損 |
Accounting For Leases | リース会計 |
Financial Assets | 金融資産(デリバティブ) |
Financial Liabilities | 金融負債(社債) |
Provisions, Contingent Liabilities and Contingent Assets | 引当金、偶発負債及び偶発資産 |
Equity | 資本 |
Recognition of Revenue | 収益認識 |
Accounting For Employee Benefits | 従業員給付の会計 |
Income Taxes | 法人所得税・税効果会計 |
Statements of Cash Flows | キャッシュフロー計算書 |
Business Combination/Equity method & Consolidation | 企業結合および持分法と連結 |
Accounting for the Effective of Changes in Foreign Exchange Rates | 為替レートの変動の影響の会計処理 |
Accounting Policies, Changes in Accounting Estimates and Errors | 会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬 |
Earnings Per Share | 1株あたり利益 |
Interim Financial Reporting | 期中財務報告 |
Operating Segments | 事業セグメント |
新方式になって大きく出題範囲が削られていることが分かります。
認定基準
認定基準についてご紹介します。
点数とレベル、称号の関係についてのまとめ表です。
新方式
レベル | 割合(点数) | 称号 |
初級 | 50%(200点) | Entry |
中級 | 80%(320点) | Middle |
上級 | 90%(360点) | Advanced |
旧方式
レベル | 割合(点数) | 称号 | 簿記レベル |
称号なし(得点のみ) | 200点未満 | なし | 論外 |
ブックキーパー | 200点以上 | Book keeper | 簿記3級レベル |
アカウンタント | 320点以上 | Accountant | 簿記3級レベル |
アカウンティング マネージャー | 700点以上 | Accounting Manager | 簿記2級レベル |
コントローラー | 880点以上 | Controller | 簿記1級レベル |
最上位のコントローラーレベルであれば自慢できていた感じの称号でした。
受験資格
受験資格はゆるいです。
試験当日において、日本国内に居住している方であれば受験できます。
国籍、学歴、年齢は関係ありません。
受験料
受験料は5,500円(税込)と、比較的安価です。
申込期間・試験期間
BATICの試験は年に2回です。
2021年度の試験は以下の2つの日程(上半期と下半期)です。
試験回 | 申込期間(2021年) | 試験期間(2021年) | |
---|---|---|---|
BATIC(国際会計検定) | 第41回 | 6月28日(月)~7月30日(金) | 7月14日(水)~8月6日(金) |
第42回 | 11月1日(月)~12月6日(月) | 11月15日(月)~12月13日(月) |
最新年度の試験期間を知りたい人は、以下のURLから確認してください。
なお、CBT方式でも、IBT方式でも受験が可能になります。
IBT :インターネット環境があればどこでも受験可能
BATIC受験者データについて
BATICの受験者データがありますので、参考にしてください。
回 | 試験日 | 称号 | 受験者(人) | 実受験者(人) | 認定者(人) |
---|---|---|---|---|---|
第40回 | 2020年12月13日(日) | Controller Level | 1,583 | 1,282 | 105 |
Accounting Manager Level | 167 | ||||
Accountant Level | 561 | ||||
Bookkeeper Level | 310 |
第40回は2020年で、旧方式です。
実受験者が約1,300人のところ、105人(8%)がControllerレベルといった結果になっています。
年間2回受験可能なので、年間約3,000人弱が受験している感じです。
BATICの学習について
BATICを学習するに当たっておすすめのテキストと問題集をご紹介します。
方式が変わっているので、必ず新版を購入するようにしましょう。
・BATICテキスト
・BATIC問題集
TACや大原でもBATICの講座がありますので、受講してみるのも良いかもしれません。
気になる人は資料請求をしてみましょう。
USCPA(米国公認会計士)のススメ
この記事ではBATICをご紹介しましたが、英語×会計をアピールしたい方はUSCPA(米国公認会計士)を視野に入れるのが良いでしょう。
BATICの試験方式が大きく変わったことにより、その価値が大きく下がるものと予想されます。
また、BATICの点数を取ったところで企業が評価してくれるかは、東京商工会議所のマーケティング能力次第という他力本願です。
(TOEICのように世界的に非常に有名な民間資格になれば良いですが、BATICはどこまで期待できるか不明です)
私はUSCPA(米国公認会計士)ですが、その資格の威力は絶大だと感じています。
USCPAに少しでも興味が湧いた方は、一度以下の記事をご覧になってください。
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最後に
いかがでしたでしょうか?
BATIC(国際会計検定)という言葉は聞いたことがあるけれどもどんなものか分からなかったという方は、少しはイメージ出来たのではないでしょうか。
BATICは目的とする検定試験ではなく、通過点として利用している人が多いのではないでしょうか?
USCPA(米国公認会計士)を受験する前にBATICを受験する人も多いような印象があります。
国際的な会計基準を知っている人は、今後食いっぱぐれることがなくなると考えられますので、一度USCPAについて調べてみると面白いと思います。
他の財務経理系の資格について気になる方は以下の記事をご覧ください。