ecoslymeです。
USCPA(米国公認会計士)のBECの試験問題にはライティングの問題があります。
全部で3題出題され、45分〜60分で回答することになると思います。
USCPAの試験の中でも異質で、これだけがライティング試験となります。
受験生の9割以上がアメリカ人という環境の中で、ライティングが科目にあるのは日本人にとって非常に難易度が高いですが、必ず通らなければならない難関となります。
この記事ではBEC(Business Environment and Concepts)いわゆる企業経営環境・経営概念の中の、WC(Written Communication)についてご紹介します。
リーディング能力ではなく、文章構成能力とライティング能力が問われる科目です。
得点配分は15%になりますが、ここが全く出来ないと試験通過は厳しいように思います。
早速、実際にどのような問題が出題されるのか具体的な問題を見てみましょう。
【USCPA】テキスト・問題集(Wiley・Becker・Roger・Gleim)のご紹介
目次
実際にUSCPAの問題を解いてみましょう(BEC WC)
BEC WC(Written Communication)
例題
You are asked by John Smith, the Vice President of Management Support at XYZ Holdings, to give him a brief explanation on the fiduciary duty of the board members of a corporation.
In preparation of the presentation, write a memorandum to John Smith explaining the duty of loyalty the board members of a corporation are required to satisfy.
In addition, illustrate examples where a member of the board of directors has conflicts of interest with the company, but is not deemed to have breached the duty of loyalty.
あなたはJohn Smithさん(XYZホールディングスの経営支援担当副社長)に、会社の役員の信任義務について簡潔に説明するように頼まれました。
説明の準備において、John Smithさんに、忠実義務を役員が満たすように要求されているということを説明するメモを書いて下さい。
更に役員のメンバーが、会社の利益相反ではあるが忠実義務に違反していないとみなされる例をあげて下さい。
100点満点の試験で、5点の問題だと思って下さい。
もちろん全て英語で回答します。
BEC WCの一般的な採点基準について
BEC の WCでは、以下のことが求められています。
① 問われた内容に対して
② 簡潔に文章を作成し、適切な文法と構成によって示すこと
おそらく採点基準は以下となります。 ※あくまで推測です
・質問内容が明確にされているか
2) 「本論および結論」2点
・問われている内容について、一般的な見解が示されている:1点
・問題の設定に沿った形で示されている、もしくは適切な例示がされている:1点
3)「体裁」2点 ※1点ずつ減点
・英語表現(文法、用語の適切性)に問題が無い
・論点以外のこと(内容、分量共)を過剰に書いていない
・模範解答と近い内容
例題の採点基準
1)<導入>
・Duty of loyalty the board members of a corporation need to satisfy.
2)<本論>
・Definition of duty of loyalty.
・Situations where directors are not deemed to have breached the duty of loyalty.
・Example of acceptable cases.
3)<体裁>
・英語表現(文法、用語の適切性)に問題が無い
・論点以外のこと(内容、分量共)を過剰に書いていない
・模範解答と近い内容
回答のポイント
ここで、回答のポイントを教えます。
<導入>
・問題文の言い直し(問題文と同じ文章でOK)をして、議題が何かを述べる
・必ず1点ゲットする
<本論>
・学んできた内容を可能な限り論理的に述べる
・キーワードと思われる単語を入れて、自然な英語にする
<体裁>
・Collocationに気をつける。例えば、problemはsolveするもの、questionはanswerするもの、といった感じ
・文書の書き出し、締めの部分は定型文でOK
(書き出し)
- This memorandum is to explain…
- This memorandum explains…
- This is a memo to explain…
(締め)
- If you should have any questions on this matter, please feel free to contact me.
Sincerely,
問題文の内容について、補足説明をします。
信任義務(fiduciary duty)には、注意義務(duty of care)と忠実義務(duty of royalty)があります。
注意義務
・「同様の地位にある通常に慎重なものが、同様な状況において払うであろう注意」を要求している
取締役が経営上の判断を誤ったことで会社に損失を与えた場合の責任について、経営判断の原則が適用されます。取締役は、過失がなく誠実に行為している限り、その判断の誤りについて責任を負いません。
忠実義務
・取締役は会社の利益のために忠実に行動しなけれなならない
会社と取締役の間に利益相反の関係が生じた時、特定の条件を満たせば正当な取引として認められます。(会社にとって公正かつ合理的な場合など)
解答例
<導入>
This memorandum is to explain the duty of loyalty the board members of a corporation are required to satisfy.
<本論>
The duty of loyalty is one of two primary fiduciary duties required to be satisfied by a corporation’s directors. The duty of loyalty is a director’s responsibility to act in the best interests of the company. From time to time, conflicts of interest may arise between the corporation and the directors. However, the director is not deemed to have breached the duty of loyalty in certain cases.
They are, if the director receives proper approval upon sufficient disclosure to the board or the shareholders’ meeting, and/or if the deal is fair and reasonable to the corporation.
<例>
An example is as follows;
A director of a manufacturer who co-owns a distribution company negotiated a deal by the manufacturer to adopt a distribution system from the co-owned company, making a disclosure to the manufacturer and the other board members.
The deal amount matched market price levels, and the board (absent the distribution company’s co-owner) unanimously approved the purchase.
<締め>
If you should have any questions on this matter, please feel free to contact me.
Sincerely,
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最後に
今回は嫌気がさした人も多かったのではないでしょうか。
日本語でも難しいのに、それを英語で書くなんて、、、
ですが、これも問題集を繰り返し解いていれば慣れてきます。
満点を取る必要はありません。15点中6点くらい取れたらラッキーくらいに考えましょう。
おそらく私は5〜7点くらいかと思います。(アメリカ人は満点近く取ってくると思います)
ここは皆さんの予想通り、日本人の成績が顕著に悪い項目になります。
でも、その日本人も普通に合格しています。
そのため、このWCがあるという理由だけでUSCPAを諦めるということは非常にもったいないので、考え直してみて下さい。
逆に今後USCPAを取ると、英語で経歴書なども書かないといけないのでライティングはこの機会に身に付けるべきスキルです。
この記事をきっかけに、コスパ最強の資格であるUSCPAに挑戦したいと思ってくれる人がいればうれしい限りです。
BECの次に、AUDの記事も是非見て下さい。
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